関東では7月にお盆を行う地域が多く、東京でも多くのご家庭が7月中旬にご先祖さまをお迎えし、送り火でお見送りをします。お盆が終わると、日常が戻ってきますが、その一方で「もっとこうしてあげたかった」「あの人にも会いに行けばよかった」という思いがふと湧くこともあります。
実は、お盆を過ぎても供養の心は決して途切れるものではありません。むしろ、お盆を経て感じたことや気づきを、改めて形にするチャンスでもあります。
お盆後こそ、静かに向き合える時間
お盆の期間は、親戚が集まったり、法要やお迎えの準備で慌ただしく過ぎてしまうことが多いものです。そのため、ゆっくりとご先祖さまや亡き方に思いを馳せる時間は案外少ないかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、お盆後の“後日法要”です。特別な日取りにこだわらず、お盆が過ぎた落ち着いた時期に、改めてお墓参りや仏壇へのお参りを行うことは、心を整える大切な機会となります。
たとえば、あるご家庭では「お盆中は親戚対応で慌ただしかったので、翌週に家族だけで墓前に花を手向ける日を作った」そうです。その日は、あえて予定を詰め込まず、ゆっくりと故人の思い出を語り合いながら過ごしたとのこと。こうした時間こそ、心の奥に深く残る供養になるのではないでしょうか。
思い出を語ることも立派な供養
供養といえば読経やお参りを思い浮かべますが、故人を思い出し、その人との思い出を家族や友人と語り合うこともまた供養です。
お盆を機に久しぶりに会った親戚や知人と、後日あらためてお茶を飲みながら語り合う…そんな小さな集まりも立派な“送りの供養”になります。
ある高齢の方は「お盆は忙しかったから、9月の涼しい頃に、故郷の友人と集まって父の話をする会を開いた」と話してくれました。その場で出てきた昔話や笑い話は、きっとご先祖さまも微笑ましく聞いていたことでしょう。
季節の変わり目に合わせた供養
また、お盆が過ぎれば季節は少しずつ秋へと向かいます。お彼岸や秋祭りなど、地域の行事も増える時期です。この季節の移ろいに合わせて、供養の場を設けるのもおすすめです。たとえば、お彼岸の墓参りを“お盆後の送りの供養”と位置づけ、家族で再び集まるきっかけにするのもよいでしょう。
東京・南青山の梅窓院では、年間を通して個別法要や永代供養墓でのご供養を承っています。日程のご相談も柔軟に対応しているため、「お盆の時期は都合がつかなかったけれど、落ち着いた今なら…」という方にもご利用いただけます。お盆後の法要やお参りは、ご家族が無理なく、そして心を込めて行える供養の形として喜ばれています。
お盆は“区切り”ではなく“きっかけ”
「お盆が終わったから」と区切ってしまうのではなく、この時期を“きっかけ”として、日常の中に供養を根付かせていくことが大切です。お墓や仏壇に向かって手を合わせる時間、思い出を語るひととき、そして感謝を伝える行動――そのすべてが、故人との絆を深める供養です。
お盆後こそ、心静かに、感謝の気持ちを形にする絶好のタイミング。送りの供養を通して、ご先祖さまと日々つながり続ける暮らしを大切にしてみてはいかがでしょうか。