都立霊園と民間墓地の違いとは?比較でわかるベストな選択

東京都心に位置し、歴史ある景観と静かな環境を誇る都立・青山霊園。多くの著名人が眠る由緒ある墓所としても知られ、その人気は年々高まっています。しかし、応募倍率が毎年10倍を超える厳しい現実があることをご存じでしょうか?

本コラムでは、最新の倍率データや今後の供給見込み、そして「青山霊園を本命として申し込む前に知っておくべきポイント」について詳しく解説します。


最新倍率データ(2024年度)

2024年度募集(令和6年度)での青山霊園・一般埋蔵施設の応募倍率は以下の通りでした。

  • 全区画平均倍率:12.9倍(募集60区画・応募772件)
  • 1.60〜1.95㎡区画:13.1倍(30区画・応募392)
  • 2.10〜3.00㎡区画:8.8倍(5区画・応募44)
  • 3.15〜3.65㎡区画:13.4倍(25区画・応募336)
    (出典:東京都建設局「令和6年度 都立霊園使用者募集結果」)

このように、区画によっては13倍を超える高倍率となっており、青山霊園の申し込みはまさに「狭き門」となっています。


2025年度の募集状況と傾向

2025年度(令和7年度)の青山霊園の一般埋蔵施設募集数は65区画と発表されています(出典:東京都建設局 都立霊園使用者募集概要)。前年より5区画増加しているものの、大幅な供給増ではなく、依然として高倍率は避けられない状況です。

また、都立霊園全体としても新規造成の余地が限られており、今後も劇的な供給拡大は期待しづらいと言えるでしょう。


高倍率の背景と今後の動き

青山霊園の人気と倍率の高さには、以下のような背景があります。

  • 港区という立地の希少性
  • 歴史と文化を感じる景観
  • 終の住処としての「ステータス性」
  • 著名人が多く埋葬されている霊園としての知名度

これらの魅力は今後も揺らぐことがないため、倍率の高さはしばらく続くと見られます。また、近年は終活ブームの影響で「生前申込み」も増加し、需要は高まる一方です。


申し込み前に知っておきたいこと

1. 倍率を前提に、過度な期待は避ける

倍率10倍以上という数字は、申し込んでも当選しない可能性の方が高いことを意味します。「当たればラッキー」程度の気持ちで申し込むことが精神的な余裕につながります。

2. 他の霊園との併願や選択肢も検討する

同じ都立霊園でも、多磨霊園や八柱霊園、小平霊園などは比較的倍率が低めで、応募しやすい傾向にあります。また、合葬墓や樹木葬、寺院墓地など別の供養スタイルも視野に入れておくことで、現実的な選択がしやすくなります。

3. 抽選方式を理解し、準備を怠らない

申し込みは原則抽選制。住民票・世帯主の状況など、細かい応募資格や書類の提出期限もあります。事前にしっかり準備しておきましょう。


まとめ:現実を知って、納得の選択を

青山霊園は確かに魅力的な霊園ですが、「申し込めば入れる」と思って臨むと、落選したときに大きな落胆を招いてしまいます。高倍率の現実を理解したうえで、ほかの選択肢と並行して準備を進めることが、満足のいく供養の場選びにつながります。

“10倍超の競争率”を超えるために必要なのは、情報と心構えです。