秋彼岸 ――都立霊園購入を考える方へ、抽選の後に知っておきたい「次の一手」

コラム

9月も下旬が近づいているというのに、関東では連日最高気温が35℃近い日が続き、まるで真夏のような蒸し暑さに見舞われています。
気象庁の発表でも「残暑というより記録的な暑さ」とされ、東京23区でもまだまだ高温を観測する日が続く見通しとのこと。秋彼岸を前にしてもなお体調管理が欠かせない状況です。

そんな中、2025年度の都立霊園抽選結果が発表され、当落が判明した方々にとっては、来年再チャレンジするか、それとも民間霊園や寺院墓地を検討するかを真剣に考える時期となりました。以下では、最新の抽選倍率データとともに、購入希望者が判断材料とすべきポイントをご紹介します。

最近のデータ:令和7年度の抽選結果と倍率

  • 2025年度の都立霊園の公募受付総数28,715件東京都交通局+1
  • 種別による倍率は以下のとおり:
      - 一般埋蔵施設:約2.9倍 tokyo-park.or.jp+1
      - 合葬埋蔵施設:約6.8倍 tokyo-park.or.jp
      - 樹林型合葬埋蔵施設:約3.1倍 tokyo-park.or.jp
  • 青山霊園の一般埋蔵施設の場合、2025年度の募集(例:1.55〜1.90㎡区画)では募集数32区画に対して受付数347件、倍率は約 10.8倍reien-tokyo.net
  • 小平霊園では、1.75〜2.00㎡区画の一般埋蔵施設で、募集数40区画に対して受付数272件、倍率約 6.8倍という区画もあります。 reien-tokyo.net

これらの数値から、「都立霊園で当選するのは決して容易ではない」ことが改めてわかります。


来年再チャレンジ vs 民間霊園選択――検討すべきポイント

抽選が終わった今、来年も申し込むか、それとも民間霊園・寺院墓地を選ぶか。どちらにもメリット・デメリットがあります。それを踏まえて判断するための視点を以下に示します。

判断基準来年都立霊園を再チャレンジするメリット民間霊園や寺院墓地を選ぶメリット
費用使用料が比較的安めで、公営ならではの管理体制があります。初期費用は高めなことがありますが、永代供養や価格の交渉可能なケースも多い。
抽選倍率の高さ青山や人気区画では10倍を超える倍率が続いており、当選までに2〜3年応募を続ける人も多い。過去の調査では、「当選者は平均2.3回応募」「落選者は平均2.8回応募」というデータもあります。 シニアガイド+1民間墓地は抽選という形式よりも先着や予約制のところが多く、タイミングを逃しにくい。
供養のスタイル永代使用料・管理費の安定性。標準的な規約や制度が整っている。個人墓・家族墓・永代供養・ペット共葬など、柔軟な供養プランが選べることが多い。
アクセス・将来的管理都立霊園は交通アクセスと公共性で優れている霊園が多い。民間の墓地でも、駅近や車アクセス良好なものがあり、管理サービスや施設の質で差異があります。

平均抽選回数から見える“粘り時”

過去のデータによると、都立霊園を希望する人の中で:

  • 当選した人の 平均応募回数約2.3回シニアガイド
  • 一方、落選を重ねている人は 平均2.8回以上応募しているという調査もあります。 シニアガイド

これは、「1回のチャレンジで当たる可能性は低いが、複数回応募することで当選確率が上がる」という現実を示しています。ただし、応募回数が増えるということはその分待機期間が長くなることも意味します。


判断を助ける「来年再チャレンジする」ための準備

もし来年も都立霊園を目指すなら、次の準備が重要です:

  1. 希望区画を複数リストアップしておく
    人気の青山だけでなく、谷中・小平・多磨なども含めて応募可能な区画を調べておく。
  2. 申込要件の整理
    遺骨の有無・身分・住所要件など、募集要項の条件をしっかり確認。申込ミスで無効になることを防ぐ。
  3. 予算と支出計画を立てる
    使用料・管理料・墓石代の見積もりを取り、初期費用を準備しておくことで、当選後の手続きがスムーズ。
  4. 民間霊園・寺院墓地の情報収集も並行する
    見学会に参加したり、価格・サービス内容を比較することで、「後悔しない選択」ができる。

結びに

2025年の都立霊園抽選が終わった今、多くの方が「来年再チャレンジするか」「民間霊園を選ぶか」の岐路に立っています。最新の倍率データや平均応募数を踏まえると、1回落選したからといって諦める必要はありませんが、待ち続けることにもリスクがあります。

秋彼岸という節目をきっかけに、ご家族で本当に大切にしたい供養の形を話し合い、どの道を選んでも納得できる判断をしてほしいと思います。来年の申し込みに備える準備と、民間・寺院墓地も含めた選択肢の幅を持つことが、あなたの“供養”をより安心できるものにする第一歩です。